2018年制作

双六盤の制作及び定石の解説動画

作者コメント

盤双六のプレイの解説ができるような大きな盤とコマを制作しました。そして、それを使って定石の解説映像を撮りました。制作目的は、他の盤上遊戯と同様に定石を知ることで実力が伸びて、プレイの幅が広がっていくと思ったからです。最初は盤双六に対する知識があまりなく、実際に研究するまで運要素が大きく絡むと思っていたが実力の方が大きく絡むと分かりました。制作物のサイズは、盤は開いた状態で縦650mm×横800mm、閉じた状態で縦650mm×横400mmです。コマの大きさは、直径30mm、高さが約10mmです。コマは白黒15個ずつ、計30個あります。解説動画は右側『雙六手引抄』に書かれている原文と、自分で訳した現代語訳を載せ、左側に解説に合わせた動きをした映像を流しました。映像で紹介した定石以外にも『雙六手引抄』に書かれているので、気になった方は調べてください。とても楽しい遊戯なので、これを機に、盤双六がより多くの人に認知されると嬉しいです。


2018年制作

異世界トリップしたらオネェなキメラに拾われました。

作者コメント

小説のあらすじは、主人公・夢咲美優が、ひょんなことがきっかけに異世界へトリップします。そして彼女が目覚めたのは、鬱蒼と生い茂った森の奥深くでした。彼女が森の中を彷徨っていると、たまたま森を通りがかったキメラ・ヘーゼルと遭遇します。美優は彼に今までの経緯を話すと、身の上話に同情したヘーゼルは「アンタさえ良ければ、アタシが面倒見てあげるよ!」と言い出して、美優は彼の世話になることになりました。しばらくの間、美優は現代の世界と異世界との違いに戸惑っていたものの、ヘーゼルと生活していくうちに、美優は「いっその事、この世界で生涯を終えても構わない」と思うほど異世界の生活に順応していきました。しかし彼女の思いとは裏腹に、様々なひとの思いが交錯しており、彼女は彼らの思惑に巻き込まれていきます。主人公は最終的には自分の世界へ帰っていきます。最近の異世界ものの小説だと、大抵は元の世界へ戻らずに生活するので、それが新鮮だと読者に感想をいただきました。


2018年制作

ピーシャンジュウム

作者コメント

本制作は中国故事成語を基にした絵本の制作である。たくさんある故事成語のうち、日本人がよく知っている「西遊記」というお話の中に登場する「二郎」というキャラクタのストーリーが基になった故事成語を選んだ。絵本のテーマは山を切って母を救え、勇気を持って実行することの大切さと母への愛情を讃えることである。絵本はハードカバーで、サイズは見開きA3、ページ数は32である。中国の留学生として、絵本制作を通して、中国文化を日本人に伝えることを目的としている。今まで、大学で学んだ絵本制作の知識を使用することが、卒業制作を制作するにおいて、とても重要だと考えた。また、今回の卒業制作を通じて、授業で学んだ表現方法やパソコンツールの使い方のスキルは高めることができた。自分の手で、中国の文化を絵本というメディアで表現できたことは、とても誇りに思っている。


2018年制作

中華スイーツの旅

作者コメント

テーマは「中国の祝日のスイーツは美味しい」制作物はピクチャーブック・ノベルゲームです。このゲームは、選択肢の選択により、ゲームの中のストーリーが変化していき、選択された内容がデジタル絵本の形でストーリーが展開していくゲームの表現方法です。3つデジタル絵本の内容は中国の祝日にまつわる話です。このゲーム構成は、ストーリーを進行していく二人の食いしん坊キャラクタがいます。年獣という中国の食いしん坊の妖怪と同じく食いしん坊の人間の少女です。二人は気が合って、美味しいスイーツを探して時空を超えて旅にでかけます。すると、現代の祝日に、スイーツを食べている家族の団欒をみつけます。それを見た女の子が、年獣に、このスイーツを食べるようになった由来をたずねます。年獣は、祝日とスイーツの由来となった昔々のストーリーを話し始めます。そして、デジタル絵本の形で、ストーリーが進みます。Photoshopで人物や背景を描き、Unityで描いた人物や背景を読み込んで、ストーリーを編入し、プログラミングを進めました。


2018年制作

文学かるた

なわてん2018年度グランプリ受賞作品

作者コメント

学生の活字離れや読書時間の減少傾向、その一方で文学作品や文豪を主体とした漫画やゲームが増えてきていること、私が文学作品というものに興味があり他の人にも興味を持ってもらいたいということからこの制作を思いつきました。また絵札をどうしようか考えていたところSNSでヒントをみつけ自身のデザイン力の向上につながると思いタイトルの文字をデザインすることにしました。制作は4月から9月上旬までは主にかるたの題材にする作品などの情報収集を行い、10月以降は文字のデザインやしおり、箱を作っていきました。遊び方は作品当てクイズのような感覚に近く絵札には小説などのタイトルが書いてあり、読み札にはその小説の文章が書いてあるのでその文章にあうタイトルを取る、という遊び方です。文章にはタイトルがそのまま書いてあるものを選んだり、キーワードとして連想できるようになっているので知らなくても取れるような工夫をしてあります。タイトルの文字デザインは小説の内容や作者をイメージしてそれぞれ違ったデザインになっています。

2018年制作

たっくんの1日
マーくんの1日

作者コメント

これは幸せな国に住んでいる子どものたっくんと紛争地域に住んでいる子どものマーくんの1日をわかりやすいように見比べる絵本です。絵本の題名は「たっくんの1日 マーくんの1日」このことをより多くの人に興味を持ってもらい知ってもらいたいため、作品には和紙と色鉛筆を使う混合技法を使いました。日本の文化を取り入れたくて和紙を使うことにして絵本という誰にでも読みやすく親しみやすいコンテンツで作品作りをしました。絵本キッドは10ページ25×25を使いました。和紙は雲竜紙、カス紙、典具帖紙、レース紙を使いました。工夫したポイントは瓦礫に使われている和紙です。和紙1つ1つに違った模様がある中で専門店で見たり触ったりして、1番気に入ったものを使用しています。和紙では表現できないところに色鉛筆を使用しています。和紙と色鉛筆で使い分けをして工夫しています。作品の中の瓦礫の汚れ加減を和紙で表現、夕焼けの場面では少しずつ変わっていく色合いを色鉛筆で綺麗に表現しました。

2018年制作

夢の中の盤双六
-和尚と道士の対戦-

作者コメント

中国の古代遊戯盤双六の歴史を理解することを目的とし、日本の盤双六研究分野においても意義のあることだと考える。本作品は「宣室志」という文献の中に記載されている盤双六にまつわる話を3DCGアニメーションにした作品である。

2018年制作

3DCGアニメーションによる中国の盤双陸の遊戯方法再現

作者コメント

中国の古代ゲームである盤双陸を3DCGアニメーションを用いて現代人に伝えることにより、ゲームというものの面白さの普遍性を認識し、現代のゲーム開発に活かせる点を見つけたいと考えた。中国の北部にある盤双陸が5種類南の広州地域のものが5種類、この10種類の遊戯方法をそれぞれアニメーションにして比較できるようにした。本作品は『譜双』に基づいて3DCGアニメーションによる遊戯方法の再現である。まず北双陸と広州双陸のそれぞれの盤の形、サイズ及び駒の数量を紹介する。北双陸の平双陸から、広州双陸の仏双陸までのルールを全て紹介した。盤双陸では、24マスの盤(中国の盤面は○がマス位置のしるしである)、白と黒各15個の駒、2個のサイコロを使う。出た目に従って1個または2個の駒を盤上に巡らせ、駒を進めることでゲームが進行する。平双陸は契丹双陸とも言う。駒は黒、白となっていて、サイコロを二つ使う。サイコロを振っって、その出目に従って駒を動かしていく。白い駒は右から左へ、黒い駒は左から右へ動かす。全ての駒は門を通過したあと初めて自分の駒を盤の外に出すことができる。本作品は、このような文字で書かれたルール説明3DCGを用いて、ビジュアル化し、具体的な対局例をあげながらルール説明した。

2018年論文

盤双六の古文書「譜雙」について

執筆者コメント

盤双六は古代から遊ばれてきた盤上遊戯である。中国から伝わったのは3世紀だとされている。その後、約7世紀頃に日本に伝来してきた。しかし、盤双六の歴史や遊戯方についての古文書はその後書かれていない。現時点で日本の最も古いものは1583年に書かれている「双六書」だとされている。しかし中国では、宋の時代の1151年に洪遵が盤双六について記述した古文書「譜雙」が残されている。本論文では、「譜雙」を読み解くことで、中世中国での双六の遊戯方及び、普及の様子を研究することを目的とした。盤双六の古文書「譜雙」を研究してわかったことは古代中国の北方から南方まで幅広い地域で雙陸は東南アジア、アラビア、日本でも遊ばれていた。地域によって、雙陸のルール、駒の形状、盤面の初期配置、遊戯方が異なり、盤が板や絨毯であった。不打雙陸はなぜ2つのサイコロの目が七になるように叫ぶのか、南皮雙陸のサイコロにはなぜ一と六の目がないのかなどの疑問が浮かんできたが、今後の課題として研究していきたいと思う。

ミリオンセラー絵本に共通する要素の考察

執筆者コメント

絵本というメディアは子供から大人まで幅広く愛されている。中でもミリオンセラーになっている絵本の人気は不動のもので、長年様々な人に愛され続けている。我が国の近年の絵本の出版状況に関しては、子どもの数の減少傾向にもかかわらず、数年間目立った落ち込みはみられない。出版不況といわれながらも年間約500点前後の絵本が新刊として世に出ている。ただしこれら新刊が年間ベストセラーになることはなく、その枠は全て各出版社のロングセラー絵本が占めている。こういったロングセラー絵本の中でも特に人気なものがミリオンセラー絵本と言える。発行部数が100万冊を突破するほどの人気絵本、それらには一体どのような要素が共通するのだろうか。また、新たな絵本を創作する際に、それら要素を参考にすることができないだろうか。そこで本論文は国内におけるミリオンセラー絵本を発行部数、特徴などと合わせて分析、比較し、それらに共通する要素を見つけ出し、各要素について考察することを目的とした。